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笹の舟で海をわたる

 

角田光代さんの、笹の舟で海をわたる、を読んだ。

 

ーーー 朝鮮特需に国内が沸く日々、坂井左織は矢島風美子に出会った。陰湿ないじめに苦しむ自分を、疎開先で守ってくれたと話す彼女を、しかし左織はまるで思い出せない。その後、左織は大学教師の春日温彦に嫁ぐが、あとを追うように、風美子は温彦の弟潤司と結婚し、人気料理研究家として、一躍高度成長期の寵児となっていく……。平凡を望んだある主婦の半生に、壮大な戦後日本を映す感動の長篇。

 

とまああらすじ書きには、このように書いてある。

 

ブクログ等、レビューを見るとすごい。

女性からの「感動しました」「涙が止まらなかった」の嵐。

 

どれだけ感動作品なんだろう.........?

と思って手に取った私だったが、読み終わったあと、わたしは恐怖に震えていた。

 

 

読んだ人が感動するというのは、わかる。どこに感動するのかも、だいたい分かる。

でも、わたしにはこの本を読む年齢を「間違えた」と思う。

 

 

この本は20歳〜70歳くらいまでの“ライフストーリー”だ。良くも悪くも主人公に重ねてしまった。

 

そう、これからの自分の人生の現実を突きつけられた気がして怖かった。

 

私は元々、結婚や恋愛に対してものすごくいいイメージというものを抱いてはいない。それでももし私が本当に好きな人と結ばれたなら、の「if」は想像するし、その未来は明るく、輝いている。

 

この本の主人公は幸せなのか、果たして不幸せなのか。それは読み手それぞれだと思う。しかし私がこの主人公と同じ人生を辿ったら?幸せと言えるのか?そう考えた時、私は自分の人生をあまりにも楽観視そして現実を受け入れていないんだと気づく。気づいてしまった。

 

そうしたら、

この先の人生で、私は幸せに気づけるんだろうかとか、

じゃあいつになったらその受け入れ準備ができるんだろうかとか、

いろいろ考えが止まらなくなって、怖くて震えていた。

 

決してただの物語ではない。

誰もが自分の人生を少し、思い返す。

そんなきっかけになる本だと思う。

 

 

まだ24だと思っていた。

でも、もう24。

 

私は父が年老いている。

兄弟の中で私だけが孫を抱かせてあげられるかもしれない。

もっと前向きに積極的に人生を考えなければな、と思った。